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2015年08月23日

山綱川と鳥川の違いは何か?美合小学校のホタル飼育部が来校

平成27年8月19日、ホタル学校に
美合小学校のホタル飼育部の児童14人が訪れました。

美合学区を流れる「乙川」は、昭和10年にゲンジボタルの発生地として
国の天然記念物の指定を受けている
ほど昔からホタルが有名な地域で、
美合小学校でも長年ホタルの保護活動に取り組んでいます。
しかし近年は川の環境が変わったためかホタルの数も減ってきています。

一体何が起きているのでしょうか?


先月29日に環境保全課の職員が美合小学校へ伺い、ホタル飼育部の皆さんと一緒に
小学校の前を流れる「山綱川」の水質や水生生物を調査しました。

山綱川ではゲンジボタルの餌となるカワニナはあまり見られず、
代わりにアメリカザリガニやウシガエルのオタマジャクシなどが見つかりました。

有機物の量を調べるCODパックテストで調べてみても「6mg/リットル」と
やや汚れていることを示す結果が出ました。

今回はホタル学校の前を流れる鳥川でも同様の調査をし、山綱川との比較を行います。


川の調査に行く前に、まずはホタルクイズに挑戦しました。
普段からホタルのことを勉強しているだけあって、10問のクイズに
全問正解できた子が半分近くもいました。大人でも難しいクイズですがさすがです!


続いてはワークシートを使ってホタル学校の展示で学習をしました。
川にはホタル以外の生き物もたくさん棲んでいますし、私たち人間も
また上水道や田んぼなどで川の水を利用したり、排水で川の水質に
影響を与えながら生活をしています。ホタルを取り巻く環境にも
目を向けることで、川の水質についてより広い視野で考えられるようになるでしょう。


さぁ、いよいよ川の生き物調べです!
箱メガネと網を持って、鳥川に入って生き物を探していきます。


この日の水温は19~20℃ほどで少し冷たく感じましたが
ホタル飼育部のみんなは楽しみながらも真剣に活動していました。


サワガニ、カワムツ、カワニナなどの水のきれいな川に棲む生き物が
たくさん見つかりました。山綱川とはずいぶんと違う結果です。


そして珍しいことに2cmほどのゲンジボタルの幼虫が見つかりました!
今年生まれた幼虫はまだ数ミリしかないはずなので、これは去年産まれたものの
成長が遅かったために今年成虫になれなかった「留年組」です。
来年こそは成虫になってきれいな光を輝かせてほしいですね☆


そしてCODパックテストを使って鳥川の水質検査をしました。
※参考検体として醤油を少し混ぜた水でも実験しました。


結果は2~4mg/リットルと、山綱川よりもややきれいという結果となりました
(通常は2mg/リットル前後ですが、この日は朝の雨の影響で少し濁ったようです)。


山綱川と鳥川の環境の違いがはっきりと分かった一日でした。
大切なことは調べて終りにするのではなく、ここからさらに考え、行動していくことです。

なぜ川の環境に違いがあるのでしょうか?
どうすれば山綱川をもっときれいにできるでしょうか?
そのために自分たちは何ができるでしょうか?


簡単に答えは見つからないし、結果を出すには何十年も時間がかかるかもしれません。
それでも今日の鳥川での体験が、いつの日か実を結ぶきっかけになることを期待します。

ホタル飼育部の皆さん、これからも頑張って活動を続けてくださいね!


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撮影日  平成27年8月19日(水)
撮影場所 ホタル学校(鳥川町)
投稿者  からさわ


ふたば 自然との共生を「ホタル」を通して考えましょう! ふたば
HP:http://www.morinoeki.jp/hotaru_gakkou/index.html  


Posted by 岡崎市環境部環境政策課 at 20:24鳥川ホタルの里(ホタル学校)