こっちの水は甘いぞ!「平成の名水百選巡りバスツアー」を開催!

岡崎市環境部環境政策課

2015年05月12日 16:34


平成27年5月9日(土)、鳥川ホタルの里で
「平成の名水百選巡りバスツアー」を開催しました。

鳥川町は平成20年6月に「鳥川ホタルの里湧水群」として
環境省の「平成の名水百選」に認定されました。
このツアーでは、これら鳥川の湧水群をバスで巡ります。

朝、岡崎市役所に集合し、早速バスに乗り込んで鳥川町へ向かいます。


ガイドは竹内謙作さんです。
竹内さんはホタル学校の前身である旧「鳥川小学校」で6年間勤められ、
閉校後、現在に至るまで豊富小学校に勤務されています。
(現在は2年生の担任)

子どもたちと共に地域のことを熱心に研究していたため
鳥川の環境や文化に精通しており、鳥川ホタル保存会のアドバイザーでもあります。


ホタル学校に集合された方が数人乗車し、
いよいよツアーのスタートです!

※公用バスは「市制100周年」PR用にカラフルにラッピングされています☆


さて、ツアーの1か所目は「延命水」です。
年中水量が安定していて、名前の縁起も良いことから大変人気のある湧水で、
市内外から車にポリタンクを積んで汲みに来る方が絶えない場所です。

早速みんなで試飲。「おいしい!」、「まろやか!」
こちらでも空のペットボトルを用意しましたがそれだけでは足りずに
自前のペットボトルに汲んで持ち帰る参加者の姿も見られました。


延命水の豊かな水の秘密は周囲の森にあります。
以前は荒れていましたが間伐が進められたことで林内が明るくなり、
低木も生えてきて多様性のある森に戻ってきています。

この森の土を数年~数十年かけて浸み込んでいった水が
今、湧水として私たちが目にしているのです。


続いて2か所目は「産湯の滝」。その名の通り、かつては鳥川で
赤ちゃんが生まれた際の産湯用に汲みに来たと言われている場所です。

道路沿いにある他の湧水と異なり、ここだけは10分ほど山を登って
行った先にあります。なぜ昔の人は不便なこの場所まで汲みに来たのでしょうか?
不思議ですね。

途中、「加茂(かも)式黒炭窯」「猪垣」にも立ち寄りました。


鳥川町ではかつて炭焼きが盛んだったそうですが、時代の流れとともに
炭焼きの文化は失われていきました。この加茂式黒炭窯は、平成になってから
復活させたもので、今でも地元の方が時々炭焼きをしています。

そして炭焼き窯の後ろにあるのが「猪垣(ししがき)」です。
猪が田畑に入らないように石を積み上げて作った垣根で、
鳥川町内には江戸時代のものが多数残っています。


大人の背丈ほどの高さがあるだけでなく、上の方が外側にせり出して
イノシシが登れないようにする「猪返し」がついていたり、
垣根の切れた部分の先には落とし穴を設置するなど、
先人が工夫を凝らして自分たちの農作物を守っていたことが伺い知れます。


さて、3か所目は「ふないどの水」。ホタル学校のすぐ近くにあり、
ここも一年中水が途切れないため、登山に訪れた方にも人気があります。

4か所目は「庚申(こうしん)の水」です。
いつもは綺麗な水なのですが、あいにく今日は濁りが入っていて
飲めませんでした。ここは山の奥からパイプで引っ張ってきている場所で、
ここ数日、どなたかが上流を掃除したことが原因のようですが、
じきにきれいな水に戻ります。


庚申の水の名前の由来はすぐ横に庚申信仰の像が立っているからです。
庚申信仰では2か月に一回巡ってくる庚申の日に、夜寝ている間に
体の中から「三尸(さんし)の虫」が出て行って天の神様に悪行を
告げ口にいくと考えられていました。

昔はそれを防ぐために庚申の日はみんなで集まって徹夜して過ごしました。
地元の方によれば、この信仰は今でも簡略化された形で残っていて、
庚申の日には当番の家に集まってお茶を飲んだり雑談をして過ごすそうです。


さあ、最後の5か所目は「大岩の水」。庚申の水のすぐ近くですが、
こちらは問題なく水を汲むことができました。


ホタル学校に戻ってきたら、昨年も好評だったお楽しみ企画
名水で淹れたコーヒーの飲み比べです!
各湧水で汲んできた水を使って、竹内さんこだわりの
自家焙煎コーヒーをドリップしていただきました。


「同じ地域の水なんだからそんな大して違わないんじゃ?」と思いきや、
汲んだ場所によって味が違うという意見が多数!

延命水や産湯の滝は苦みの強いパンチの効いた味ですが、
大岩の水は同じ豆とは思えないマイルドな味わい。
含まれているミネラル分の違いなのでしょうか?
皆さんもぜひ試してみてください。


あと2~3週間もすると、この豊かな湧き水で育った「ゲンジボタル」たちが
舞う季節がやってきます。鳥川の豊かな自然に育まれた名水を飲んで、
ホタルの気分を味わいながら観賞してみてはいかがでしょうか?


ガイドの竹内さん、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。


※「平成の名水百選」は飲用の水質を保証するものではありません。
当然「生水」のため、飲用は自己責任でお願いいたします。



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撮影日  平成27年5月9日(土)
撮影場所 ホタル学校(鳥川町)
投稿者  からさわ


自然との共生を「ホタル」を通して考えましょう!
HP:http://www.morinoeki.jp/hotaru_gakkou/index.html

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