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2015年09月13日

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
平成27年9月6日(日)、ホタル学校で環境学習イベント
「ホタルの川の生き物調べ」を開催しました。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
講師は岡崎市動植物調査会の永井貞(ただし)先生です。
岡崎市内の自然に精通しており、岡崎市史やレッドデータブックおかざきの
作成にも携わっている専門家です。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
この日は朝からあいにくの雨模様・・・。今日は川には入れなさそうか?
と思いきや、イベントが始まるとともに少し天気が回復してくれました!
早速網を持って鳥川の生き物探しにで出掛けました。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
捕まえた生き物を永井先生に見てもらうと、種類や特徴を教えてもらえます。
最初は恐る恐る川に入っていた子どもたちも次第に夢中になって
次々と生き物を捕まえることが出来ました。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
部屋に戻ってからは捕まえた生き物たちについて、詳しく解説していただきました。
その内から一部をご紹介します。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
こちらはトノサマガエルです。昔はどこの田んぼでも当たり前のようにいましたが、
今は絶滅危惧種になっています。近年、稲作の途中で田んぼから水を抜く
「中干し」をするようになり、ちょうどその時期に田んぼの中で育っていた
オタマジャクシが死滅してしまうことが原因です。

トノサマガエルのオタマジャクシは鳥などの他の生き物にとっても
エサになっていたため、生態系全体に影響を及ぼしているとのこと。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
こちらは岩の下に隠れていたトビケラの幼虫です。見た目はちょっと
気持ち悪いですが、川の上流部に棲む生き物で、綺麗な水質であることを示す
指標生物として知られています。釣りのエサとしても使います。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
そしてそのトビケラの幼虫で釣られてしまうのがこのカワムツ
成魚になると顔の周りに赤い色が出ることから俗称「アカハヤ」と呼ばれています。
永井先生によれば冬場に捕まえて食べるととても美味しいそうで、
ぜひ一度試してみたいですね。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
こちらは珍客!イシガメです。鳥川でも時々姿を見かけますが、
すぐに潜ってしまうためなかなか捕まりません。イシガメは日本在来のカメですが
最近数が減っており、その原因は外来種のミシシッピアカミミガメ
(いわゆるミドリガメ)が生息地を拡大していることにあります。

ミシシッピアカミミガメは小さい時は可愛いのでペットとして飼う人が多いのですが、
大きくなると面倒を見きれなくなり自然の池や川に放す人が続出・・・。
繁殖力が強いため、イシガメのような在来のカメを追いやっており、
大きな問題となっています。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
平べったい独特な姿をしているのはコオニヤンマのヤゴです。
同じトンボの仲間でもヤゴの形は様々で、他のヤゴと比べても全然体つきが
違うのが分かります。目の部分が飛び出ていて愛嬌がありますね!

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
他にもカワヨシヨシノボリ、カワニナ、サワガニ、ギンヤンマのヤゴ、
ツチガエル
などが見つかりました。いずれもきれいな水環境に棲む生き物たちです。
永井先生が子どものころは岡崎の街中でも当たり前のようにいたそうですが、
水質の悪化や堰堤の影響などで見られなくなってしまったとのこと。

川の生き物からわかる環境の良し悪しとは?
さらにブラックバスやブルーギルなどの外来魚の影響も深刻です。
鳥川でも今年ブルーギルが10匹以上捕まっていますが、
一度入り込んでしまったものを根本的に駆除することは難しいです。

川の生き物探しで鳥川の豊かな生態系を実感できた一方で、稲作の変化や
農薬の使用、そして外来種の移入など人間の都合によって日本固有の
自然環境が失われてきていることを学ぶことが出来ました。

一度壊されてしまったものを復元するのはとても難しい
ことですが、私たち一人一人もまた水の恵みを得ながら暮らす生き物の一員として
責任を持って行動していくことが大切ですね。

ご参加くださった皆様、永井先生、ありがとうございました。


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撮影日  平成27年9月6日(日)
撮影場所 ホタル学校(鳥川町)
投稿者  からさわ


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HP:http://www.morinoeki.jp/hotaru_gakkou/index.html



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Posted by 岡崎市環境部環境政策課 at 10:05 │鳥川ホタルの里(ホタル学校)

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