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2015年10月05日

第6回ホタルマスターファミリー講座「第2部」☆


前回に引き続き、平成27年9月27日(日)に開催した
第6回目(最終回)ホタルマスターファミリー講座の
第2部の様子をお伝えします。

午後からは校庭へ移動し、様々な環境教育プログラムを体験していきます。

鳥川では時々野生の「シカ」が見られますが、そのシカが生きていくためには
食べ物、水、隠れ場所(棲み家)、生活空間が必要です。
それも「ただあれば良い」というのではなく、バランスよく揃っていることが大切だ
ということを体を使って体験していきます。


まず参加者にはそれぞれ食べ物、水、隠れ場所、生活空間の4グループに
分かれてもらいました。そして講師のむしくんの周りに輪になるようにして並びます。

横を向いてすぐ前の人の方に手が乗るくらい近づき、このままゆっくりと腰を下ろします。
うまくいくと後ろの人の膝の上に座ってバランスがとれますが、さぁどうでしょうか?


うまく座ることができました!4つの要素がバランスよく配置されることで、
シカの生息環境が成り立っている状態です。もしもここから食べ物や水が
減ってしまったらどうなるでしょうか?再度チャレンジです!


何とか座ることができましたが、かなり苦しそうですね。4つの要素のうち
一部が欠けてしまうだけでも影響は全体に及んでしまいます。

常に変わり続ける自然環境の中でバランスを保って生きていく
ということは当たり前のようでとても難しいことなのです。

☆アクティビティ名 「つながり発見!生息地」


続いては、こうした環境の変化とシカの生き残りについて体験していきます。
まずはシカが生きていくために必要な要素である「隠れ場所、食べ物、水のグループ」と、
「シカのグループ」に分かれてもらいます。

2グループには20mほど離れたところに分かれて並び、合図とともに自分が
どの要素になったか、もしくはシカであればどの要素が欲しいのかポーズをとります。


ポーズはみんなで決めました。隠れ場所になった人(または隠れ場所がほしいシカ)は
頭の上に屋根を作り、食べ物になった人(食べ物がほしいシカ)はお腹を押さえます。
そして水になった人(水を飲みたいシカ)は腰に手を当てジョッキを持つポーズ!


最初はシカが反対側を向いているのでどの要素がどこにあるかは分かりません。
一度目の合図ではお互いにポーズをとり、もう一度合図がなったらシカは後ろを振り返り
自分が欲しいもの(自分と同じポーズをとっている人)を走って捕まえにいきます。


うまく捕まえられたシカは生き残り、繁殖することが出来ました。捕まえた人を連れて帰り、
次の回ではその人もシカ役になります。逆に捕まえられなかったシカは、残念ながら
生き残れませんでした。一回休んで自然に還り、次の回からまた要素側として参加します。
シカの数は毎回増えたり減ったりするので、記録をしていきました。


10回(10年分)を繰り返したところでシカの数をグラフにまとめてみました。
最初4頭しかいなかったシカは毎年順調に増えていきましたが、4年目には
シカが増えすぎて必要要素の数が足りなくなり、絶滅の危機に瀕してしまいました。

その後も少しずつ増えたり減ったりを繰り返しているのが分かりました。
波を繰り返しながら生態系のバランスが保たれているんですね。
しかし時々そのバランスを壊してしまうのが私たち人間です。
自然と共生する暮らしをすることは難しいのでしょうか?


☆アクティビティ名 「オー!ディア」


続いてはそうした人間の開発と自然との共生をテーマにしたプログラムです。

ホタルの棲む川沿いを開発することになったホタルマスターファミリー参加者の皆さん。
どうしたら環境に配慮しつつ人間にとっても住みやすい地域にできるか
グループに分かれて考えていきます。


開発が計画されているのはマンションやリゾートホテル、ゲームセンターなどなど。
これまでに学んできたことを思い出しながら、ホタルに与える影響を最小限にできるよう
工夫をしてレイアウトを決めていきます。子どもたちもとても積極的です!


計画が完成したら各グループに発表してもらいました。このグループは自然への影響が
大きい建築物はできるだけ下流のエリアにまとめ、上流には無農薬の畑など
影響の少ないものを配置しました。そして道路や池の周りには木を植えることで
自動車の光が川に入らないようにする配慮をしています。


どのグループも今まで学んできたことを活かしながら、自然と人とが共生できるためには
どうしたらよいかを考えてまちづくりを計画してくれました。実際の生活や地域づくりでも
環境に配慮した取り組みを広めてくれることを期待します!

☆アクティビティ名 「みんなのホタル川」


最後のプログラムは、これまでの活動を振り返りながら詩にまとめる
「フォールドポエム」です。

詩といっても一人で書くのではなく、一人一行ずつ書いてグループ全体で作り上げます。
ただし次の人に渡す時に紙を折り曲げるので、後に書く人は自分の直前の人が書いた
一行しか見ることが出来ません。最後に広げてみて全体でうまくまとまるかどうか、
ドキドキしながら書き込んでいきます。


全員書き終わったら各グループの作品を発表してもらいました。

(作品の一例)
心のオアシス
たくさんの生命と関わり合う
小さい生き物の命も大きい生き物の命も同じ重さ
すべての命に感謝しよう
みんなが暮らしやすい所がホタルにも良い環境



うまくつながると会場から「オー!」っとどよめきが起こりました。

皆さんこれまでの講座で心に残ったことを思い思いに綴りましたが、
ホタルや人を含めたたくさんの命を育む自然の豊かさを残していきたい
という願いが伝わってきました。


これですべてのプログラムが終了です。最後に講座を振り返りながら
意見交換をしました。3年目となるリピーターのご家族からは
「毎年勉強になることがあって充実した内容だった」との感想をいただきました。

また「理科がもっと好きになった」という子がいたほか、保護者からは
「子ども以上に毎回楽しみにして来ていました」という感想もいただきました。


そして各家族へホタルマスターファミリーの「認定証」が授与されました。


さらに講師の自然・環境学習実践隊からは、子どもたち一人一人に
感謝状が贈られました。本当に半年間よく頑張りましたね!


また、ホタルマスターファミリー講座にずっと関わってくれていた実践隊の
カエルちゃん(光田さん)が今回で会を卒業ということで感謝状が贈られました。

カエルちゃんファンの子どもたちはとても残念そうでしたが、
今度は「カエルマスターファミリー講座をやってほしい!」という声もあるので
いつか実現する日を楽しみにしています!



半年間にわたり開催してきました講座もこれで終わりということで
少し寂しくもありますが、今年も参加者の中から自由研究の学年代表に
選ばれる子が出たり、それぞれの家族が身近な自然としっかりと
向き合いながら過ごしていることを嬉しく、また誇らしく思います。

最初は緊張ぎみだった子どもたちの表情が回を重ねるごとにほぐれていき、
自然に向ける眼差しがどんどん輝いていくことが印象的でした。

そして子どもたちだけでなく、大人も一緒に楽しく学ぶなかで
『家族の絆』が深まっていくのを感じました。


長期間にわたりご参加くださり、本当にありがとうございました。
講座が終わった後でも気になることがあればいつでも講師やホタル学校に
気軽にご連絡ください。また皆さんと再会できる日を楽しみにしています!



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撮影日  平成27年9月27日(日)
撮影場所 ホタル学校、鳥川ホタルの里(鳥川町)
投稿者  からさわ


ふたば 自然との共生を「ホタル」を通して考えましょう! ふたば
HP:http://www.morinoeki.jp/hotaru_gakkou/index.html  


Posted by 岡崎市環境部環境政策課 at 12:06鳥川ホタルの里(ホタル学校)